金澤翔子展

今日は上野の森美術館へ、金澤翔子さんの書とライブを見に行った。

金澤翔子さんは、私が最も愛する書道家だ。

この9月に上野に来るということでかなり前から楽しみにしていた。
SNSで事前に今日はライブをやるようだということを調べた。
オープン10時のところ、9:30に向かうと、もう人が列をなしている。
思ったとおり大人気だ。

会場では10:00過ぎに翔子さん、お母様が見えられて
書道のライブが始まった。

もっとも印象的だったのは、翔子さん自身ではなく自分の反応だった。
翔子さんを見た途端に涙がこみ上げてきてしまった。
翔子さん、お母様は愛そのものだった。
それを感じたから、おそらく私の体は涙を流すという反応を見せたのだと思う。

人が出てきただけで涙がこみ上げるという経験は
2000年のCoccoの大阪城ホールぶりだ…。
実に17年ぶりにこんな体験をすることになった。

ライブはとても短く、10分程度で終わってしまったが
愛に溢れ、とても自由な翔子さんは
暖かくて微笑ましい空気を醸し出していた。

ほんとにとにかくあたたかい、ほがらかな、明るいライブだった。
翔子さんはとても楽しそうに書いていらっしゃった。

書は「翔」という文字を書いてくださったのだけど
お母様がご説明してくださった内容はこうだ。

「今日は<翔>という文字を書かせていただくんですけれども、なぜこの文字にしたかというと、翔子がこの<翔>という文字を見て、私とお母様みたいだね、って言ったんですね。
というのも私(お母様)が未年で<羊>の文字が入っていることと、<羽>はよくダウン症のお子様は天使とか言われているので、それで自分には羽があるということ、それでこの文字になりました。親子二人三脚でやってまいりましたこの恩をいつか返したい、この個展はそういった意味で開催させていただきました。翔子が神社に奉納したものも神社の方から借りて今日は展示しています。皆様どうぞゆっくりご覧になってください」

計り知れないほどのご苦労があったのだと思う。
だけど私が見るかぎり、今のお二人はとても朗らかで愛に満ち溢れていた。

となりにはおそらくダウン症を患っているだろう
1歳くらいの女の子とお母さんが座ってらした。
女の子は時折私をじっと見つめ、手をこちらに伸ばすので
お母さんが諌めるのだが、「一緒に見ようね」と言って
一緒に見たことも印象的だ。

本当に人間として大切なことに触れさせていただいたと思った。
多くの人がきっと気づきつつも、
日々の忙しさに埋没させていく愛とか、自由とか、微笑みとか…。

今の私は、運良く感じられる時間がある。
翔子さんという書道家を知って、見に行くだけの時間とお金がある。
このことが今の私にはとてもありがたく感じた。
ほんとに人生で大事なことってこういうことだと思う。

自由で明るいライブのあとは、ゆっくり館内を見渡していきたいと思ったのだけど、とにかく大人気で人酔いをしてしまったのでサイン会は断念した。

どうしても生で見たかった「華厳」「佛心」は見られたので
またひとつ今年やりたかったことを叶えることができた。

私は翔子さんの書が大好きだ。
何のぶれもない、愛がそこに詰まっている書を見るのが大好きだ。

ふと書が大好きな祖母のことを思い出し
本を買って持って行ってあげようと思った。
私が大好きな書道家さんの書はこれだよって伝えたくなった。

また、ハガキのコーナーには「愛してる」という文字を書いた絵葉書があった。
気恥ずかしくてとても実際には使えそうもない絵葉書だが
手にとってみたら、その「愛してる」という文字が可愛くて可愛くて…
書をとってかわいい、なんて思えることが
本当にこの人は素晴らしい書道家だとまた思えた。

とにかく贅沢な1日を過ごしました。
金澤翔子さん、お母様、本当にありがとうございます。
いつまでもお元気で、ご活躍をとても楽しみにしています。



カテゴリー:ALISA

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